ひと足早い春の知らせ
啓蟄を過ぎたとはいえ、帯広はまだまだ雪の舞う日が続きます。少し積もっては昼間の太陽で溶けてしまうので、雪解け水で車は真っ黒。ガソリンスタンドはどこも洗車待ちの車でいっぱいです。
しかしこの時期に降る雪は、実は、よく写真などで見るようなきれいな樹枝状の結晶になっていることが多いのです。雪の形は上空の気温や湿度によって決まります。真冬の気温も湿度も低い時はさらさらとした柱状、少し気温が緩んで水蒸気が多い時は樹枝状になるそうです。
雪の研究の第一人者であった中谷宇吉郎先生は、「雪は空からの手紙」と呼んでいたそうですが、この樹枝状のきらきらとした雪の結晶は、高い空の上の温度も少しずつ上がり、春が近づいてきたという知らせを運んできてくれたものなのです。
帯広の虫たちが動き出すのはまだもう少し先ですが、ひと足早く届いた春の便りの美しい造形を、しばらくは楽しみたいものです。
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