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うらやましい

 学生の頃、炎天下の野外調査に疲れてくると、よく友人たちと「人間も光合成ができたらどんなにいいだろうか」などと、冗談混じりによく話したものです。当時は、日焼けなど気にせず、お昼ご飯の心配もなく、思う存分太陽を浴びて、必要な養分を自分で作り出しながら生きていけたらきっと楽であろう、というひどく短絡的な思考からきていたものではありますが、今でも時折考えてしまうことがあります。
 植物は光合成を通して無機物(水と二酸化炭素)から有機物を合成することができる存在です。その上、酸素をも供給してくれます。植物とごく一部の微生物を除いては、人間を含めほとんどの生き物は、自ら有機物も酸素もつくりだすことはできません。つまり、私たちの身体は、植物がつくり出してくれる有機物を取り入れ、植物が供給してくれる酸素を吸って初めて、生きていくことができています。
 地球上から植物が消えれば、生き物の未来も絶たれてしまうであろうことは、容易に想像することができます。毎年、花を咲かせ、葉を茂らせ、種を実らせ続けることが、地球上の生き物みんなのためになるなんて、何とうらやましい存在なのでしょう。片や、人間は自然の恵みを消費するばかりで、大切な事も忘れがちの、煮ても焼いても食えない存在だと、まっすぐ太陽を見上げる植物たちに思われてはいないかと、時々心配になることがあります。

2015年07月27日

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今週のヒューエンス
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