この冬一番の冷え込みとなった先週の祝日、帯広の街は真っ白な霧氷の世界に包まれました。すぐ近くを流れる札内川沿いの木々は、まるで北欧の絵本の中に迷い込んでしまったかのような、この世のものとは信じがたいほどの美しさでした。橋の真ん中で止まりたい衝動を抑えつつ、もう少し遠くから街の様子も眺めてみたいと思い、ひとまず帯広を抜け、広い雪原と小さな山をひとつ越え小高い丘に着くと、そこからは日高山脈も大雪山系も十勝岳連峰も見渡すことができました。
　この辺りは、すでに太陽の光をたっぷりと浴びて、霧氷の時間は過ぎてしまっていましたが、帯広の街はまだ冷たい霞に覆われているようで、日高山脈が宙に浮いているように見えます。よく見慣れた景色のはずなのに、こうして立ち止まってみると、静かで清々しく、それでいて威厳を損なわない空気の中に、また違った感動がわいてきました。
　四季を通じて北海道を見つめていると、まだまだ知らない世界は沢山あるのだということをいつも教えてもらっている気がします。小さなことに気づき、驚き、心を動かされたり心を洗われたり、春が来れば過ぎた冬に後ろ髪をひかれ、夏が来てもまた次の夏が待ち遠しくなり、月日を重ねていくことがこんなに楽しいものかと思うのです。
　今週のヒューエンスも、年を越すと間もなく500回の節目を迎えます。いつも読んでくださっている皆さま、いつもヒューエンスを支えてくださっている全ての方々に心から感謝をし、2015年を終えたいと思います。

カテゴリ

今週のヒューエンス

更新日

2015-12-28

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