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季節限定

 暖かな日があったかと思うと、日高おろしが吹き荒れる日、身体のしんまで冷やす雨の降る日もあり、ここでは、秋の空よりも心変わりしやすい春です。
 きれいに畝がつくられた畑を、意地悪な風が土ぼこりを上げながら何度も吹き抜けていきます。こういう時に、少し雨でも降ってくれれば、大事な土が飛ばされることもないのでしょうが、そう上手くいくものではなく、まだ草木が根を張る前の大地は、真皮をむき出しにした肌のようで、いつも痛々しく見てしまいます。
 土ぼこりの舞う畑の反対側の牧草地では、キタキツネが日向ぼっこをしていました。秋蒔小麦や牧草の緑に覆われている場所では、抜ける風も弱いように見えると感じていましたが、その証明者がいました。ぬくぬくと、目をつむって春の体温を感じているようです。カメラを向けると、ぽーんと跳ね起きました。
 こちらに視線を送る主は、まだたっぷりとした冬毛を残しています。そう言えば、緑の中でふさふさとしたキタキツネを見る機会は、思いのほか少ないかもしれません。夏毛に変わったのキツネたちは、大げさに言えば冬の3割ぐらい痩せて見えます。実際にはこれからの季節の方が、餌が豊富になり体重は増えるのでしょうが、冬のみっしりとした毛が抜け替わっていくに従って、身軽に細く見えるようになるのです。
 そう考えると、これも今の季節限定の景色なのかもしれません。ふさふさなキタキツネが緑の草原を駆け抜ける春です。
カテゴリ
今週のヒューエンス
タグ
十勝の景色生き物
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