見知らぬ街を旅すると、不思議と何時間でも、どこまででも歩くことができてしまったりします。この先の角を曲がったら、どんな風景に出会えるのだろう、とか、美味しそうなお店はないか、などと常に何かを発見しようという気持ちの高ぶりのおかげかもしれません。車のスピードでは景色を十分に堪能するには早すぎるし、自転車では頻繁に立ち止まったり、狭い路地を進むには逆に不便。好きなように寄り道をしながら楽しむには、歩くスピードが一番合っている気がするのです。
帯広は筋金入りの車社会ですが、実は歩行者用のきれいな小道が何箇所もあります。お気に入りはやはり『とてっぽ通』。帯広の市街地を南北に抜ける約２キロの通りは、春は桜やこぶしの花を、秋には紅葉を、冬にはななかまどの赤と雪の白とのコントラスを眺めながら歩くことができます。途中には美味しいケーキ屋さんやカフェもあり、一休みの場にも困りません。何より、"とてっぽ"という名前は、時間にとらわれずのんびりとことこと歩くことを勧められているようで、何とも響きがよいのです。
師走を目前に、悪路に気を取られず歩くことができるのはあと半月もあるでしょうか。見慣れた町並みでも、穏やかな小春日和のお天気の下を思いのままに歩いてみたら、何か新しい発見があるのではないかと期待してしまいます。
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