１ヶ月ほど前、静かに始まった十勝の春も、そろそろ終わりに近づいています。木々の緑が濃くなるにしたがって、地面に落ちる影も大きくなり、林床を華やかに彩っていた花達も少しずつ緑の中にのみ込まれていってしまいます。白い花をいっぱいに広げていたニリンソウの花畑も、きっと来週末には姿が見えなくなってしまっているのではないでしょうか。 　春の間だけ現れる花畑は、観光ガイドにはほとんど載らない、住んでいる私達だけしか知らないようなところばかりです。散歩コースの途中だったり、仕事へ向かう道の途中だったり、ふと、車の中から視線を落とした先に自然の花畑が広がっていた、などということは珍しくありません。その度に、何とも嬉しい気持ちになるものです。 　北海道はこれから本格的な観光シーズンに入り、１年でも一番にぎやかな季節となります。でも、遷り行く春がちょっぴり名残惜しいと感じてしまうのは、私だけではないのではないでしょうか。

2012年５月28日

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