当たり前と思えるものが実は、どれほどもろいものであるか、きっと皆が感じていることでしょう。自分は、どれほど科学が進歩しても、制御することはおろか、予測することすらままならない大きな力の中におかれた、小さな存在に過ぎないのだということも考えずにはいられません。 　野を生き抜く動物たちを見ていると、彼らの中には当たり前というものは存在しないのではないかと思えます。命がけで餌を求め、命がけで子を守り、命がけで山を越え、海を渡るのは、１秒先の未来も保障されない世界で生きているからです。私たちが言葉に出さなければつい忘れてしまいそうになる、"有り難い"という瞬間を、彼らは全てをかけて追いかけているのです。 　早く走れる訳でもなく、空を飛べるわけでもなく、かすかな音を聞き分けられるでもない私たちが、この地球上で生き残る術は、やはり皆が心を合わせることしかありません。誰かのために自分のできる限りを尽くす、これは人間が与えられた、何より大きな力です。

2016年04月18日

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