今どき、と笑われるかもしれませんが、手回しで周波数を合わせるラジオを愛用しています。雑音がふっと消え、音がきれいに聞こえ始める微妙な位置を探し当てるのが、ちょっとした楽しみなのです。
操作は似ているのですが、カメラのピントを合わせるのは、なかなか上達しません。ラジオとは違って、カメラはピントが合うと、親切にも「ピピッ」と鳴って知らせてくれるのですが、こちらが「ここだ！」と思っても、「ピ」とも言ってくれないことがあるかと思えば、カメラが「ピピッ」と言っても、私の意図とは違う場所でピントが合っていたり、お互いの主張がぶつかってしまうのです。
でも、カメラが合わせてくれたピントの中に、自分では気付いていなかった色や物が写りこんでいて、驚くこともあります。上の写真もその１枚です。氷に閉じ込められた泡の中に、虹を捕らえてくれました。よ〜く探すと、小さな小さな雪の結晶も、おまけで添えられています。「やるな〜」と褒めたい気分になる瞬間です。
プロならば、思うままにカメラをコントロールして、思うとおりの写真を撮るものなのでしょうが、私は振り回されたり、反対に助けられたりしています。手のかかる奴だと思われているかもしれませんが、大きな故障もなく、もう長いこと相棒（師匠？）でいてくれていることに、近頃は感謝しきりです。
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