さらさらと降り積もった雪も、あっという間に融けていくようになりました。春の気配を感じる日が増えています。 　ここ数か月のコロナウイルス猛威のニュースを見るにつけ、もう10年も前になりますが、今週のヒューエンスでウイルスについて書いたことを思い出しました。そして、小さな小さな遺伝子とそれを包むカプセルしか持たないウイルスに、人間はいまだに脅かされ続けているのだと改めて思い知らされます。 　よく、物理や数学の世界でも、シンプルな数式は強いと聞きますが、それは生物の世界も同じように見えます。ウイルスは生き物なのか生き物ではないのかという議論があるほど、極限までシンプルな構造をもっているにも関わらず、彼らは様々な生き物の細胞に潜り込み、遺伝子を増やしていくことができるからです。 　シンプルなものの強さとは何でしょうか。無駄なものをもたない身軽さ、環境に合わせていける自由度の高さでしょうか。人間にとってはこれからも戦いつづけなければならない相手かもしれませんが、謙虚に、学ばなくてはいけない相手でもあるようにも思えるのです。

2020年02月25日

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