気づいたのは冬の初め頃です。自宅の観葉植物の葉色が悪くなっていました。そうなった理由に思い当たる節があり、急いで対処しましたが、すぐには回復しませんでした。それからは猛省の毎日で、なんとか元気を取り戻してきたと思えるまでに数か月かかりました。
回復を待つ間、根の具合を見ることができたらどんなにいいだろうかと、何度も思いました。もっと水が必要なのか、それとも控えた方がいいのか、病気にかかっていないか、土から掘り起こせば、きっと一目瞭然なのです。でもそれは、お腹が痛いからと言って、開腹して体の中を見るのと同じことです。更に大きなダメージを与えかねません。できることと言えば、焦る気持ちを抑えながら、毎日葉色や葉脈、茎や新葉の変化を見て、ひたすら元気になるようにと祈ることだけでした。
きっと、人間の成長も同じなのでしょう。表に現れない部分では、いつも白くて細くて頼りなさげな根が、無数に伸びようとしているのではないでしょうか。水を吸収し、養分を吸収し、その根を育てるのは本人の力でしかできませんが、周りには見守ってくれる人や、忍耐強く待ってくれる人、時には手を差し伸べてあげる人も必要です。根を支える土も、大切なのです。
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