株式会社 ヒューエンス
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 メンデルの法則


 草花の種からは、当然のごとく、同じ色の、同じ大きさの花がまた咲くものだと思ってきました。でも、園芸品種に関しては、そうとは限りません。数年前に購入したスミレは、5枚の花弁のうち、上弁2枚が淡い水色で、残りの3枚は黄色で、少し大きめの花を咲かせていました。それが、今年、こぼれ種から咲いたのは、花弁が全て黄色いもの、花は大きいけれど薄い黄色で唇弁の模様がないもの、花がずっと小さくて濃い黄色と紫を配したもの、そして、もとのスミレと同じ外見のものの、大きく分けて4種類でした。ほほぉ〜、こんな品種たちをかけ合わせて、あのスミレの色と大きさになったのか!と、すっかり舞台の裏側を覗き見たような気持ちです。
 更に調べてみると、スミレは面白い受粉方法を取っていることも知りました。春先に咲いた花(開放花)は他家受粉を行い、その後、咲かせずに自家受粉をする閉鎖花をつけるのだそうです。遺伝子の多様性と、種の存続のどちらも確実に行おうとするしたたかな戦略に、舌を巻かずにはいられません。
 野山の草花を調べるのが趣味でも、実は、スミレの同定は苦手でした。交配種が多いということは、特徴的な形や色のボーダーラインがぼんやりとしているということで、いつも判断に確信がもてないからです。でも、彼らの美しさは、しなやかな生き方を映し出したものだと知って、とても興味がわきました。今年、形質の分かれた庭のスミレたちは、来年、どんな花を咲かせるのでしょうか?いつか、原種にまでたどり着くこともできるでしょうか?新たな自由研究の種を手に入れた気分です。
 (写真は大雪山系と札幌周辺にのみ自生するジンヨウキスミレです。スミレには固有種も多いのだそうです。)

2021年06月14日