お向かいさん
春の時期、季節限定のお向かいさんがいます。
家の窓から見える電柱の中で子育てをするコムクドリの夫婦です。オスはオカメインコのような赤い斑がほほのあたりにあり、なかなか可愛らしい鳥です。
夫婦は4月の初め頃からせっせと巣材を電柱の中に運び込み、6月に入ると餌をくわえて戻ってきた親鳥を、雛の元気な声が迎えるようになりました。
そろそろ巣立ちの頃かと気になっていた週末の朝、いつものように窓の外を見ると、少しほっそりとしたコムクドリが2羽、親鳥と一緒に電柱に泊まっていました。あっ、と思った瞬間、もう一羽、ほっそりしたコムクドリが電柱から出てきて、親鳥たちとたわむれながら飛んでいきました。そう、3羽の子供たちが無事巣立ったのです。
去年は雛が育たなかったようで、早々に電柱の巣穴を離れていってしまった夫婦でした。住宅街に立つ電柱は、林の中などとは違って、周りに巣を隠してくれるような木の枝も葉もなく、巣は丸見えのはずです。実際、カラスが電柱の中を覗き込んでいるのを何度も見かけました。そんな中で、あきらめずに子育てをやり遂げた親鳥のたくましさには、本当に頭が下がります。
また来年も引っ越してきてくれるでしょうか。彼らの声が聞けなくなるかと思うと、しばらく寂しくなりますが、次の春が楽しみでもあります。
2013年6月24日
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