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気になる木

 一週間ほど前、十勝川温泉の近くに“鷲のなる木”なるものがあると聞き、行ってみました。天然記念物のオオワシやオジロワシが十数羽も集まってくるという不思議な木です。しかし、残念ながら時期を過ぎてしまっていたようで、この日はほとんど姿を見ることができず、少しがっかりして帰りました。
 同じ週、会社の近くに植えられている1本のナナカマドには、20羽近くの野鳥が集まり始めました。ツグミやシメなど、冬に日本へ渡ってくる鳥たちのようで、こちらは“小鳥のなる木”です。チチチチ、と可愛く鳴きながら、ナナカマドの種をつまみ出しては、くちばしを真っ赤に染めながら食べています。そして、車が通る度に皆一斉に飛び立つものの、すぐにまた同じ木へ戻ってきます。隣の道沿いにも何本もナナカマドが植えられていますが、鳥たちが多く集まってくる木はこの1本のようです。
 美味しい実がなる、遠くまで見渡せる、ほどよく姿を隠せる、など、鳥たちが集まる理由は沢山考えられますが、何か、それだけではないような気がします。取り立てて立派という訳ではなくても、不思議と周りを魅了する力をもつ木。きっと、一朝一夕につくられるものではなく、長い年月をかけて醸成されるものなのでしょう。その秘訣に、私たちが学ぶべきことが、沢山含まれているような気がしてなりません。

2014年2月3日

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今週のヒューエンス
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