沼の原
海の日、と言っても、十勝に住んでいると気軽に、海水浴に出かけよう!ということはあまりありません。海に面している町もありますが、北から流れる寒流の影響もあるのか、泳いで涼むには少々冷たすぎて、海水浴の文化が根付かなかったのかもしれません。
でも、やはり暑い日には涼やかな水辺は魅力的です。海に面していない奈良県では、海の日の祝日を「奈良県山の日・川の日」とする条例があるそうですが、ならば"水の日"なんて言うのもあっても良いかもしれません。冷たい渓流で釣り糸を垂れるのも気持ちが良いでしょう。風がそよぐ水辺で過ごすのもまた捨てがたいものです。
沼の原は新得町と上川町にまたがる湿原です。大小幾つもの沼の間に木道が敷かれ、西側にはトムラウシなど表大雪の山々が、反対側には石狩岳など東大雪の山々が連なり、どちらを向いても絵になる場所です。
人が少ない時間帯だったこともあり、辺りはとにかく静かで、話し声はどこまでも響いて届きそうなほどです。底までくっきり見える澄んだ沼に空の青と緑とが映りこみ、その間を歩いていると自分もその色にとけ込んでいきそうな気がしてきます。
世界中のどんな場所でも、澄んだ水と青い空と艶やかな緑があれば、人を癒すことは意外に簡単なのかもしれない、そう思えてきたりします。
2015年07月21日
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