妖しき世界
生い茂る植物の中にぽつんと咲く美しい花。細くすっと伸びた茎の先には、淡い紫の花が一つだけついていて、スミレのような、でもどこか少し違う雰囲気でもあります。
こちらは、きらきらとしたビーズの装飾をほどこされたかのような、海の生き物のような不思議な姿です。
1枚目の花はムシトリスミレ、2枚目はモウセンゴケです。名前や2枚目の写真で気づかれるかと思いますが、これらはどちらも食虫植物の仲間です。
ムシトリスミレは、スミレにそっくりな美しい花の根元に広がった葉で、虫を捕らえて消化します。モウセンゴケは夏に白くつつましい花を咲かせます。虫を捕まえる植物というだけでも興味をそそられますが、他の植物と一緒のような、そうでないような妖しげな姿に、もっとじっくり観察してみたくなります。
少し違うということは、不思議な魅力とセットになっていることが多い気がします。全く違っているものには興味がわかないこともありますが、何か違っているような、ということが探究心をくすぐるポイントになり得ます。そう考えると、人間の世界もしかり、知らないだけで、目を向ければ、面白いと思えることばかりに囲まれているような気がしてきます。
2015年08月03日
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