自転車の旅
帯広という地名はアイヌ語で「川尻がいくつにも裂けている川」という意味なのだそうです。本流である十勝川は、北海道のほぼ中央に鎮座する十勝岳から始まり、何十もの支流を飲みこみながら、ゆるりゆるりと太平洋まで流れていきます。北海道の自然のよいところを順位付けするのはとても難しいですが、その中でも、川が豊かで美しいことは、確実に上位に入るのではないかと思っています。
テレワークで運動不足を自覚した社員たちが、近頃、自転車通勤を始めたと話題になったとき、川沿いの道を自転車でどこまで行けるのか試してみたいという話もあがりました。それはいい!と、アイディアに便乗し、先日自分でも試してみました。
今回は十勝川、札内川、音更川、帯広川そして途別川沿いを行く約40?のルートです。車社会の北海道では、一般道を自転車で走るのは正直怖いのですが、河川敷は車の通行がほとんどなく、前後に歩行者すら見当たらないような区間も長くあるため、とても快適に走ることができました。
雪解け水を豊富に含んだこの時期、十勝川は薄い乳緑色、日本一の清流に選ばれたこともある札内川は透明に近い乳青色です。帯広川ではオシドリのオスが連なって泳ぎ、途別川ではマガモとカルガモの異色の夫婦が餌探しをしていました。蚊柱に突っ込んでしまったり、地図など見ずに走って行き止まりに当たってしまったりしたこともありましたが、歩くよりも遠くまで足を延ばすことができ、車よりも小回りが利いて、肌で景色を感じることができる自転車の旅は、想像していた以上に楽しいものでした。今度は、上流を目指すルートも試してみたいと思っています。自転車でしか行けないルートを考えるのも、楽しみの一つかもしれません。
2020年06月01日
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