穀雨
この週末は雨が降り続きました。嬉しいような、少し寂しいような。よほど大降りでもない限り、雪の中を歩くのは苦になりません。パタパタと払えば濡れずに済むからです。春の雨は、当たると寒さがじわりと肌にまでしみてきます。
それでも、乾いた大地には、待ちに待った惠みの雨だったようです。風も雨も収まりきらぬうちから、植物が顔を出し始めました。目覚まし時計を鳴らしたように、一斉にです。家庭菜園のアスパラも第1号が顔を見せ、ニラやホウレンソウもシャキッと立ち上がり、一回り大きくなったように感じます。
春の雨は寒いと言いながらも、小降りになったかならないかのうちから、レインウェアを着込んでは、何度も散歩へ出かけました。昨日までは静かだった土の上に、ポコポコと芽が出てくるのは、特別な嬉しさです。ニワトリが何週間も温めていた卵が、ある朝、ひよこに変わっていた時の驚きと嬉しさに似ているなぁ、などと思い出したりもしていました。本州では実りをもたらす雨、ここでは目覚めの雨です。
2021年04月19日
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