満ちていく
スーパームーンの皆既月食、という魅惑的な天体ショーの情報につられ、帰宅した後、ばたばたと河川敷へ出かけました。月は既に赤銅色の直前で、完全に出遅れています。普段、野山歩きに持参する機会がほとんどないため、最後にいつ使ったかも思い出せない三脚を引っ張り出し、急いで立てていると嫌な音が。バキッという鈍い音とともに、位置調整用のノブが取れてしまいました!もう一つの三脚にすればよかった!などと落ち込む暇もなく、露出を合わせ、シャッタースピードを合わせ、ピントを合わせ、やることが沢山です。
試し撮りをしているうちに、月はすっかり地球の影に・・・、入っているのか、いないのか?西から流れてきた薄い雲に覆われて、ここぞという時におぼろになり、黒い空に消え入りそうです。思えば、こうやって夜空に浮かんだ月の軌道を追いかけながら眺めたことなんて、初めてかもしれません。月は昇りながら欠けていき、西へ沈みながら満月に近づいていく軌道を、何となく思い描いていた自分のひどい疎さも、赤い月を浮かべた闇はほどよく紛わらせてくれます。実際には、南の空に昇り続けながら、欠けてそして満ちていきました。シャッターが下りるインターバルの間に、あれは北斗七星か、北極星か、あれは人工衛星かと、小学生にも負けそうな星座知識をおさらいします。
ただ空を見上げて、月を追いかけ、星を凝視していただけですが、なんだかとても楽しい時間でした。このところ、面白がるセンサーが鈍っていたかもしれません。次の天体ショーはいつでしょうか?早速チェックしておかなければなりません。
2021年05月31日
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