ホワイトかブラックか
週末は空が荒れると天気予報は伝えていても、十勝の上に広がる青空を見ると、「本当かな~」などと疑ってもしまいます。日高の山に雲はかかっていないし、十勝岳は・・・ちょっと怪しいけれど山は見えている!なんて、根拠もなく自分の勘に一票を投じ、ドライブに出かけました。峠を越えると青空は消えましたが、雲はまだ高い空にあります。ぐるりと一回りした後の帰り道、まだ夕方の4時前ですが、辺りはどっぷりと暗くなっています。ちらちらと雪が舞い始め、再び峠にさしかかる頃には、いい降りっぷりになっていました。風も強いのか、正面から真っ直ぐに白い粒が向かって来ます。今年初めての本格的な雪だと緊張して間もなく、峠の頂上に続くカーブを曲がった途端、車は真っ白な世界に吸い込まれました。ライトをハイビームにしてもロービームにしても、ただただ真っ白です。センターラインも見えないし、これじゃぁ、対向車が来ても分からない!と焦った次の瞬間、車は覆道に入り、辺りが見えるようになりました。
ホワイトアウトに遭遇したのは人生の中で2度目です。ブラックアウトは3年前の一度だけです。季節も状況も異なってはいますが、真っ暗な闇の中に光を灯す方法はいくつか考えついても、真っ白な光の中に影を見つける方法は持ち合わせていませんでした。この時は、たまたますぐに覆道に入れたので何事もありませんでしたが、あのままの状況が続いていたら、近くに駐車帯もなかったら、一体どうしたらよいかったのか、今考えてみても分かりません。ホワイトアウトは、文字面から連想する以上に、非日常で、攻撃的で、恐ろしいのです。
十勝の小春日和にひたっていたところに、すっかり冬の洗礼を浴びせられた経験でした。何度冬を越そうとも、寒冷順化は気を抜いてはいけません。危険に自ら近づいて行くようなことも決してしてはいけないのです。天気が悪い時は、くれぐれも家の中で安全に!
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