迷子のススメ
知らない場所を歩くのが好きな性分は、副次的な得技をもたらしてくれました。それは”楽しく迷う”ことです。
今はどんな場所でもナビゲーションしてくれるツールが当たり前にありますが、あえて使わず、宿泊先に置いてあるパンフレットや、本屋さんなどで手に入れた地元の地図を見ながら出発してみます。土地勘がないゆえに、地図と実際に歩いた感覚とに驚くほど差があり、もちろん迷うつもりで出発したわけではなくても、簡単に迷ってしまいます。最後には、歩き疲れて、座って休める場所を探し歩く旅にすり替わってしまうことも・・・。
今時分、道に迷うなんて非効率的だとも思いますが、目印を探しながら、時には同じ場所を行ったり来たりしながら歩くのは、どきどきはらはらします。道が合っているのかどうかはわからなくても、思いがけず見つけた素敵な場所に寄り道すれば、わくわくします。道を教えてくれる方にも会えば、無性に嬉しくなります。五感をフル稼働させながら、人の流れに身を任せてみたりしながら、試行錯誤の末に力尽きて、最後の最後にアプリに頼ったとしても、タクシーに乗ってしまったとしても、きちんと帰って来られれば結果よしです。
でも、そんなことを何度か続けていると、次第に迷うことには抵抗がなくなり、一度迷った場所は、また来てみたいと思うようになります。どんな形でも、無事に帰ってくることができれば、それは成功体験になっているのかもしれません。思い出深い場所として、記憶に刻まれるのかもしれません。これって、新しいことを始める時の感覚と似ているなぁと、いつも思います。迷った分だけ、最後に道は広く、長くなります。今年も、大いに迷う一年にしたいと思っています。
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