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カラマツ林の上で

 カラマツの芽吹きはゆっくりです。新緑が見られるのは、遅霜の心配もなくなる蝦夷梅雨の頃でしょうか。それまでの間にも、彼らには大事な役目があります。
 カラマツの木の上には、アオサギのコロニーがあります。多いところでは、首を伸ばせば届く範囲にお隣さんがいるほど、巣がひしめき合っているところもあります。南方で冬を過ごしたアオサギたちが十勝に戻り、巣の補修を始めていました。彼らは、毎年同じ巣で子育てをするそうです。細い枝を皿状に組んだだけの巣は、私にはどれがどれなのか区別することはとても難しいように見えますが、彼らはちゃんと覚えているんだなぁ、と感心してしまいます。
 巣の中に立っているアオサギが、時折、大きな鳴き声を上げることがあります。つがいの相手ではないアオサギが近づいてきたのでしょうか?巣の補修をしていると言いつつも、この寒さのせいか、首をすくめてじっとしているだけのものも沢山います。もしかしたら、自分たちの巣を守ることも、留守番に課せられた大事な任務なのかもしれません。
 カラマツ林が新緑に染まる季節、アオサギのひなたちは、どのくらい成長しているのでしょう?その頃になるといつも緑にばかり目を奪われて、ひなのことはすっかり忘れてしまっていたような気がします。今年の6月は、カラマツ林をもっと見上げてみようと思います。


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