好きな道
足寄町の市街地を抜け阿寒へ向かう道は、好きな道の一つです。目的地は雌阿寒岳や雄阿寒岳だったり、阿寒を抜けた先の斜里や小清水だったり様々ですが、特に、オンネトーが近づくにつれて深くなる森の辺りは、秋は赤や黄色のトンネルになり、冬は天然のクリスマスツリーの並木道になります。今は、緑の海原をかき分けるように道が続いていて、窓を開ければ清々しい風が通ります。どの季節が一番好きかと問われたら、それぞれに魅力があって、きっと答えが出せずに困ってしまうことでしょう。
道が最終目的地になることは、もしかしたらあまりないかもしれません。でも目的地は同じでも、道が違えば気分も変わり、道が面白ければ旅の楽しさは倍増します。海に浮かぶ利尻富士を眺めながら北へ向かう道、海鳥を眺めながらえりも岬に向かう道、釧路湿原の中を進む道、高所恐怖症にはちょっとつらい三国峠や天馬街道も、もちろん、景色の良さと一体になっているのが道ですが、通るだけでちょっと心が浮き立つ道もいくつもあります。今はまさに緑が一番よい季節!そう思うと、つい気が急いてあっちにもこっちにも足を伸ばしたくなってしまうのですが、急ぎすぎると楽しみが早く終わってしまうのが道でもあります。短い季節だからこそ、道草を食いつつ、じっくりと味わいたいものです。
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