7月の雪だるま
出発地点は30度を超える真夏日の予報です。通常、標高が100メートル上がるごとに0.6度気温が下がると言われていますから、出発地から1000メートルも登れば、計算上では25度を下回るぐらいの丁度良い気温になるはずです。ですが、この日は登れども登れども、30度以上の体感が続きます。
カンカン照りの太陽の下、ほぼ無風なのですから、仕方のないことです。面白いように滴り続ける汗を感じながら歩いていると、小さな雪渓が見えました。道幅を3分の2ほどふさぐ程度の量ですが、そこを抜ける風はひんやりとしています。小さな雪だるまがふたつ、並んで置いてありました。「あぁ~いいね~」
作ったのが誰なのかは分かりませんが、その気持ちがよくわかります。だって今7月ですから。こもるような暑さの中じりじりと歩いてきて雪に出会ったら、子供だって大人だって、立ち止まって雪だるまのひとつやふたつ作りながら、涼みたくなります!
帰り道には、大きな岩の上にまた一つ。こちらは手もついています。この道に残っている雪渓は、もう数日で跡形もなく消えてしまうことでしょう。道行く人を涼ませてくれる最後の雪です。
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