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森の王者

 この日は、何となくツイている日だ、そう思っていました。深い山の谷間をぬうように続く道を行くと、高い木の枝に立派な大人のオオワシを見つけ、オジロワシはもう2羽ぐらいを見つけていて、森の中には角の大きなオスのエゾシカたちが沢山いて、後はフクロウかエゾユキウサギが姿を見せてくれたら、北海道の野生動物フルコースができそうだなぁなんて考えていたからです。
 太陽は山の向こうへ深く沈み、カメラの感度も上げないと、と思っていた時、雪の上にやや大きな鳥の姿を見つけました。その鳥はすぐにその場を飛び立ち少し先の枝に止まりました。美しい縞模様の尾羽に鋭い目、足は真っ赤です。少なくとも、これまで私のカメラには収まったことのない鳥で、調べてみても確信が持てず、専門家に写真を見てもらったところクマタカだと判明しました。
 本来、クマタカの足は赤くはありません。最初に見た時に雪の上にいた時、近くに獲物があり、足でつかんで食べていたのかもしれません。それも、小さくはない大きさの獲物でしょう。何故なら、そばにオジロワシも止まっていて、すぐには逃げそうな気配がなかったからです。オジロワシはクマタカのおこぼれを待っていたのでしょうか。もしかしたら、道中見かけた猛禽たちも、皆、新鮮な獲物のにおいをかぎつけて集まってきていたのかもしれません。
 新緑の季節、一度だけ遠くの空に、妙に騒ぐカラスたちの先にクマタカの影を見かけたことがあります。普段、オジロワシには少しも臆することのないカラスたちも、クマタカへの警戒心は異常なほどでした。鳥だけでなくウサギやキツネも狩ることができるクマタカは、森の王者とも呼ばれているそうです。会うことも難しいと言われる貴重な姿を最後に見ることができて、やっぱり今日はツイてた!と思ったのでした。
カテゴリ
今週のヒューエンス
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十勝の景色生き物
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