木漏れ日の隙間から
真夏日に迫ろうかという暑い週末になりました。風があるので茹だるほどではありませんが、ついこの前まで外を歩く時は手袋が必須だった身は、もちろん暑熱順化が追いついていません。青空に誘われるように、外の方が気持ちが良さそうだけれど、日陰のある場所を・・・と緑ヶ丘公園へ向かいました。
グリーンパークの広い広い芝生には、もれなく太陽の光が降り注いでいますが、美術館や百年記念館の方へ足を向ければ、立派な高木が心地よい日陰を作っている空間が続いています。巣立ったばかりと思われるヒヨドリの幼鳥が、ヒナと成鳥の入り混じったような不安定な声で鳴きながら、木漏れ日の隙間から興味津々な目をこちらへ向けています。離れたところから親に呼ばれているようにも聞こえますが、今は高みからの人間観察の方に気を取られているのかもしれません。
池の淵と中島を行ったり来たりしているアオサギは、もしかしたらヒナの待つ巣へ戻りたいのかもしれません。時折横切る手漕ぎボートの家族や、カメラを構える私などの目を気にしながら、木の影でじっと息を潜めて待っているように見えます。
そんな姿をカメラで追っていると、どこを切り取っても新緑が写り込んで、まさに風薫る季節の空気感をいっぱいに取り込んでくれるものですから、ついついじっくりと観察してしまいます。子育て真っ最中の彼らは気が気ではないのかもしれないと、後から猛反省するのですが、そんな様子を何年も見続けていると、実は彼らの方がしたたかで、人間の目を利用して、カラスやキツネなどの天敵を遠ざけるのに成功しているのかもしれない、とも思ったりもしています。