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ウイルス

 十勝管内では、先週、新型インフルエンザ感染拡大の「注意報」が発令されました。十勝では、8月終わりごろから学級閉鎖される小中学校が出始めていたようですが、季節の変わり目で体調を崩し易いこの時期、本格的な流行に突入した模様です。
 ウイルスというと、私の中では昔から興味深いものの一つです。ウイルスを構成するものは、遺伝子とそれを保護する為の簡単なタンパク質のみで、生物の最少単位として規定されている細胞構造をもっていません。ゆえに、自然科学の世界ではウイルスは生物としては分類されていません。単独で増殖することも、自身でエネルギー生産をすることもできないにも関わらずどうやって増えるのかというと、ウイルスは他の生物の細胞内に侵入して、その遺伝子が複製する仕組みに組み込まれることで増えていきます。しかし、生物の細胞側にウイルスと適合する受容体(入り口のようなもの)がなければ、ウイルスは細胞内に入ることすらできず、もちろん子孫を増やすこともできません。こうした特徴からは、ウイルスは非常に質素な造りで、その生存戦略はとても受身のように見えます。それにも関わらず、生き物とウイルスとの戦いが一向に無くならないのは、やはり彼らのターゲットが"核"だからなのだと思います。中央管制塔に入り込んだらしめたもの、とばかりに一気に装置を乗っ取り、利を得る。最も重要なところにのみ的を絞ったシンプルな戦略ですが、それが実は強力な武器なのかもしれません。
 幸い、今のところ当社ではインフルエンザの影響は受けておりませんが、これからは季節性のインフルエンザも同じく流行期に入っていきます。健康でいる、ということもシンプルですがとても大切なことです。ウイルスも健康な体相手にはなかなか悪さをすることはできないようですから、彼らに主導権を握られないよう、しっかり自分自身のメンテナンスをしたいと思います。

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