雲の海2015
三国峠からの雲海は以前にも掲載したことがあります。3年前の同じ頃、秋の初めの空でした。その時は、穏やかな白い海の上に、真っ青な空、太陽が光を降り注ぎ、秋というよりは夏の終わりのような空でした。
今年、8月最後の日曜日の朝は、少し早く訪れた秋の空でした。
やわらかな雲の海は、凪いでいるようで、波の立っているところもあります。海の上にもまた、太陽を中心に放射線を描いたかのような薄い雲の筋がかかり、太陽の光は淡く、対岸の山々は、まさに海に浮かぶ小島のようです。
太陽が高度を上げると、動物たちの活動のスイッチも入ります。どこからともなくツバメの群れが現れ、日の出を喜んでいるかのように仲間同士で飛びあっています。彼らもまた、過ぎゆく夏とともに、まもなく北海道から旅立っていくことでしょう。
今日も曇りかと、少し憂鬱な気分で車を走らせていたのに、厚い雲を突き抜けた途端、こんな景色が広がっていたら、何倍も得した気分になるでしょう。この景色は特別な場所でしか見られないものとは違います。みんなより少しだけ早く一日を始めて、少しだけいつもと違う道を走ってみれば出会える可能性があります。後続の車も次々に止まり、雲の海を眺めて静かに去りました。お互いに言葉を交わすことはありませんが、この景色に心を動かされたということに通じるものを感じ、また嬉しい気持ちになります。
2015年08月31日
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