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春の味

 十勝には竹が自生していない、という話から、先日、沢山のタケノコを頂きました。毎年、春になる度にタケノコご飯が恋しくなるものの、スーパーに並んだ皮つきタケノコの値段にはなかなか手が出ず、かと言ってパックの水煮タケノコを使うのはあまりに味気なく、ずっと叶わずにいたことでした。帰宅早々、あく抜きを始め、1時間ほどすると、春の香りあふれる柔らかなタケノコが煮えました。それだけでも刺激される食欲を抑えながら、更にひと手間かけて煮物とタケノコご飯が炊きあがると、いつにも増したご馳走の完成です。暦の上ではもう夏が立ちましたが、北海道に届けられた旬の味に、幸せいっぱいのご飯をいただきました。
 タケノコの下準備は大変、と言いますが、次から次へと浮いてくるタケノコのあくを眺めながら、ふと考えました。タケノコに限らず、フキノトウやウド、ワラビやゼンマイといった春の山菜は、苦味があったりあく抜きが必要だったりするものが多くあります。思えば、まだ他の植物が芽吹く前、真っ先に出た柔らかな新芽が、動物たちに片っ端から食べられてしまっては、子孫を残すことができません。あの苦味は、きっと彼らが生き残るために必要なものだったに違いありません。ならば、多少の手間は当然のこと、大切な春の恵みを分けて頂くのですから。

2016年05月16日

カテゴリ
今週のヒューエンス
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