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染まる

 会社の前の歩道脇の花壇で、ピンク色のシロツメクサを見つけました。葉はシロツメクサと同じなので、アカツメクサとは種類が違います。全体がほんのりと染まるモモイロツメクサとも少し違い、若い花びらと花びらの先端部分が特に濃い色をしています。小学生の頃に、白い花を赤い色水に挿して花びらを染めたのを思い出しました。これは、シロツメクサが隣に咲いているヒメナデシコの色素をもらったのかもしれません。

 これを見て近頃は、菌根菌がシロツメクサの根とヒメナデシコの根をつないでいるのかな、などと考えるようになりました。シロクローバーは窒素を沢山取り込むことができますし、ヒメナデシコのもつ赤い色素に含まれるであろうアントシアニンには、抗酸化作用があると言われています。お互いに欲しいものを、菌根菌を商社のように介して交換し合ったのかもしれません。
 菌根菌は、多いもので千を越す核を持ち、それをマスターキーのようにして様々な植物に感染し、養分をもらうだけではなく、他の植物に分配したりもするそうです。植物たちが皆、地下でつながっていたとしたら、これはシロツメクサかモモイロツメクサか、などと分類することには、大きな意味は無いような気がしてきます。私たちが普段見ることのできない地面の下で、密かに、しかしダイナミックに、そして想像よりずっと柔軟に、生き物たちは手を取り合って暮らしているのかもしれません。朱に交わるのも悪くないな、と思ったりします。

2018年06月18日

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今週のヒューエンス
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