梨の実
私の実家の敷地内には、私が生まれ幼い頃まで住んでいた家が今もそのまま残っています。
その庭先には、生前祖父が植えた梨の木が、未だに元気に実をつけています。
40年以上前に植えられたと思われるその梨の木は、特に世話をしなくても、一年おきに沢山の実をつけます。
不格好な実がつき、見た目にはおいしそうな感じはしないのですが、ある時、ちょっと食べてみると、そのおいしさに驚きました。
まるで「ラフランス」のような触感と味なのです。
それから毎年、実をつけ熟すのを楽しみに待っていると、同じように楽しみに待っていたと思われる鳥たちが、私たちより先に食べているのです。
私たちがとる頃には、どれも手をつけられた跡のある実しか手に入らないのです。
何とか先を越し、食べられる分だけとることができれば、そのまま食べたりコンポートにしたり・・・。
祖父はいろんな樹をうちの庭に植えていました。
梨だけでなく、プラムやコクワ、グズベリー、タラの芽、山ブドウ・・・・・。
昔は当り前すぎて、何とも思っていなかったのですが、祖父がいなくなり改めて、新鮮な果物を食する事の楽しさと祖父の存在を懐かしく思い出すこの頃となりました。
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