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ひと昔

 露に濡れる朝が増えました。ヤマモミジの陰に掛けられた、蜘蛛の巣が目に留まります。小さな小さな水の粒をまんべんなく連ねてまとい、目覚めたばかりの朝の光を逃さんとしています。でも、巣の上に主の姿はありません。芸術作品のようになった我が家を、彼らもどこからか眺めているのでしょうか。
 気まぐれな空と、多くの人が集まりそうな気配もあり、なかなかに秋色に染まった山へ近づくことができません。いつもは、天気予報とだけにらめっこすればよかったところが、今年は、人出予報も考慮しなくてはいけないため、少ないチャンスが更に減ったと言えます。近くて遠い山々が目に入るたびに、ついため息が出てしまいます。
 なぐさめに、写真帳を2019年秋、2018年秋、2017年秋と、過去へさかのぼりながら開いていきました。10年に一度と言われた紅葉は6年前だったか〜。でも3年前の紅葉も見事だったな〜。食いしん坊のシマリスに会ったのはもう8年前!?どの写真も昨日のことのように思い出せるのと同時に、月日の流れがいかに速かったかということを実感します。そして、次の10年も光のごとく過ぎてしまうのだろうかと案じつつ、2020年という年は、歴史の中に深く刻まれる年になるだろうことを思います。右往左往したこと、心が、常識がぐらぐらと揺れたこと、10年後には穏やかな気持ちで振り返ることができているでしょうか。座して動かないように見える山々も、生き物たちのせめぎあいがあり、荒々しい天気との戦いがあり、少しずつ形を変えながらも、長い間、人を感動させる力は失わずにいます。人間の暮らす世界も、変化を重ねていっても、本質を失うことのないようにいたいと願います。

2020年10月05日

カテゴリ
今週のヒューエンス
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