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世代交代

 森の中には「倒木更新」と呼ばれる世代交代の仕組みがあります。大きな木が倒れると、その倒れた木の上で芽を出した幼木が、生存競争を勝ち抜いて大きく育つというものです。針葉樹林でよく見られるそうです。そう、確かに針葉樹の美しい阿寒の森などを歩くと、もうすっかり朽ちて土と区別もつかなくなりそうな倒木の上に、青々とした苔が生え、キノコが生えている横で、マッチ棒ぐらいの細さの幼木が淡い緑の針葉を広げている姿を頻繁に見かけます。
 昔、聞きかじった程度だったこの言葉を久しぶりに思い出したのは、何日か前の新聞にこの話題が掲載されていたからでした。そして、覚えていた古い記憶と少し違っていたのは、倒木の上で育つことで、幼木が土壌中の病原菌(雪腐病の一種)で死滅してしまうのを防ぐことができる、ということでした。記憶にあった、倒木が養分となって次世代を育てる、という役目ばかりのためではなかったのです。
 この仕組みを改めて考えてみると、より幹の太い立派な木が倒れれば、その上で育つ幼木は、いち早く雪の下から顔を出すことができ、病気にかかる可能性も低くなるということでしょう。当然、太陽の光もより高い位置で受けることができます。大きな倒木の上には、再び大きな木が育つ可能性が高くなるということなのかもしれません。今の世代が図太く生きるということは、必然的に次世代を育てることにつながるのでしょうか。なんだかちょっと考えさせられてしまいました。
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