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マイペース

 北海道は今、花盛りです。雨や曇りばかりだった天気のおかげか、それともやはり雨が好きなのか、今年の紫陽花はいっそう花色が濃く鮮やかな気がします。そして、少しぐらいの雨ならなんのその、その周りで虫たちは蜜集めに大忙しです。
 毛がふさふさしたネコやイヌがペット界のアイドルならば、きっと昆虫界のアイドルはマルハナバチだろうと、(個人的に)いつも思っています。黒い大きな目がついた、ころんと丸い体は、ふさふさの毛でおおわれて、後ろ足にはいつも大きな花粉団子をつけています。春浅い頃や秋口など、昼夜の寒暖差がある季節は、蜜集めの最中に低温にあたってしまったからなのか、花の中で眠ってしまっているような姿もよく見かけます。わりと目立つ姿なのに、無防備なマイペースぶりも、アイドルの素質は十分です。
 ですが、マルハナバチの世界も、かわいいだけではない複雑なものがあります。ハウス栽培の作物の受粉のために導入されたセイヨウオオマルハナバチは、逃げ出した個体が自然界で定着してしまい、今は特定外来生物として指定されています。人間の都合で利用されたり、厄介者扱いされたり、マルハナバチたちのかわいらしい姿は、そんな私たちの身勝手な世界の一面をいつも思い出させるのです。
 彼らを写真に撮ろうと粘ってみて、よくわかったことがありました。セイヨウオオマルハナバチは、動きが早く、花の上でも一か所にとどまることなく動き続けているため、撮るのは至難の業です。在来のマルハナバチは、それに比べると少し動きがゆっくりで、頑張れば、体のどこかにピントを合わせることができます。西からやってきたハチたちのマイペースはやや猛進寄りで、道産子のハチたちのマイペースはややのんびり寄りなのかもしれません。でも、こんなに沢山の花たちに囲まれていたら、浮かれて落ち着かなくなってしまう気持ちも、じっくり味わいたいと思う気持ちも、どちらもよくわかるのです。


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