雨にも負けず
釣りをこよなく愛する当社のベテラン社員は、週末の至福の時の合間に見つけた様々な動植物の写真を見せてくれます。先日、「これ何の花か分かる？」と見せてくれたのは、エゾオトギリの花でした。その時、種名までは分かりませんでしたが、オトギリソウの仲間だということはすぐに分かり、ひとしきり話が盛り上がりました。
話が盛り上がった理由は単純で、ちょっと怖い花、だからです。きっと、漢字で「弟切草」と書けば、誰もが何となく怖い理由が分かります。名前の由来となった伝説があるそうです。そして、近づいて目を凝らしてみると、葉に黒い点が散らばっていることも、怖さとつながっていきます。そんな由来を聞けば、一度でこの花の名前は頭に刻まれてしまいますから、正確な種名までは分からなくても、それがオトギリソウの仲間だということは、すぐに想像できるようになる訳です。
でも、この花は雨をまとうといつも目を惹く存在になります。雨の気配を感じると花びらを閉じてしまう植物も沢山ありますが、オトギリソウは花を真っ直ぐ空へ向け、雄しべにビーズのように小さな水滴をいくつもつけています。純粋に美しく潔い立ち姿だと感じます。帯広は久しぶりに暑さが落ち着き、週末からの雨がしばらく続くようです。野山では、今日もオトギリソウが雨にも負けず空を向いているんだろうな。
