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白い毛

 エゾシカのお尻は、大抵白くてふさふさしているものだと思っていましたが、いつもそうという訳ではなかったようです。仲間に警戒を促したり、逃げる際に仲間を見失わないよう目印にしたりするときに、白い毛(尾鏡)が逆立ってより目立つようになっているそうです。
 十勝も山沿いのエリアは紅葉も終わりに近づいていて、行楽施設の中には9月末で営業を終えているところもあります。立ち寄ったキャンプ場もすっかり人の気配がなくなり、アプリコット色に染まった桜の葉が、時折はらり、はらりと舞うぐらいです。「人がいないとクマが怖いね~」などと冗談交じりに話した瞬間、がさっと音がしました。ドキッ!と心臓が跳ね上がりましたが、顔を向けた先にいたのはエゾシカの親子です。
 な~んだと安堵して、しばし様子をみます。冬越えの体力をつけることの方が、優先度が高いのか、母親は人間には警戒も関心も示しません。きれいな色だと見とれていた桜の落ち葉がむしゃむしゃと彼女の口の中へと小気味良く消えていきます。一方、後ろからついてきた子供は人間が気になって仕方がない様子。こちらが静かにしていたら、近づいて来そうなほどじっとこちらを見つめた後、小鹿らしくぽーんっと軽快に跳ねながら母の後を追って行きました。その途中で撮ったのが今回の1枚です。尾鏡はしっかり逆立って、耳もしっかりとこちらを向いています。やはり、興味と警戒の狭間にあるのでしょう。そこが人に慣れた母親とは正反対で面白いところです。
 遠くからは他のエゾシカの「キョーン」という鳴き声が頻繁に聞こえています。越冬地に向けて仲間たちと移動を始める日も近いのでしょうか。あっという間にまた冬が来るのかと、嬉しいような寂しいような気持ちになります。


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カテゴリ
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十勝の景色生き物
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