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クルミ割りの影

 清々しく晴れた空に、悠々とやってきたオジロワシが一羽、越冬のための渡りには少し早いような時期ですので、この辺りで通年暮らしている個体なのかもしれないと思いました。でも、よくよく観察すると、左の風切羽は艶々と黒光りしている一方で、右の風切羽はところどころ切れ込みが入って傷んでいるようにも見えます。どんな暮らしをしていたのか、はたまた旅をしてきたのか、いずれも想像の域を出ませんが、猛者たちが道東を賑わす季節が近づいてきている、そんな便りを運んできたように思えます。
 今朝はハシボソガラスがオニグルミを電線の上から落としている姿も目にしました。これも実りの季節の風物詩と言えるでしょうか。北海道に来るまで、クルミは強靭な歯と顎をもったリスたちの独占できる食糧だとばかり思っていましたが、ハシボソガラスも人間社会の恩恵を受けてクルミを食べることができるようになり、今やそれが仲間たちの間で学習されて広がっているというのですから、生き物の世界は面白いものです。
 それでも、同じカラスでも市街地よりも森や山で多く見られるハシブトガラスでは、まだクルミ割りの行動が観察されていないそうです。鳥の中には、種を超えて学校のようなものを開き、コミュニケーションを学ぶことも知られていますから、ハシ“ボソ”ガラスの知恵をハシ“ブト”ガラスが学ぶ可能性は大いにあるのでしょう。そう考えると、クルミ割りの観察も気が抜けません。空からクルミを落としている黒い影がハシブトガラスならば、大発見かもしれないのです。また新しい楽しみを手に入れて、寒い季節へも弾みをつけられそうです。


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