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長いも

 十勝の秋は9月の小麦から始まり、ジャガイモ、豆、ビートと続き、11月初旬から中旬までの長いもの収穫を終えて、長い冬を迎えることになります。
 11月に入ると朝晩の気温は一気に下がり、長いも収穫作業が始まる朝7時頃は、太陽の光を受けて、夜の間に凍て付いた大地から、一気に白い水蒸気が上がります。
 耕作地が広い十勝では、農作業も機械化が進んでいますが、長いもの収穫作業は大部分が手作業です。水分を沢山含んだ長いもは、収穫機の金属で傷がつきやすく、そこから腐敗が進みやすいため、丁寧な手作業が必要となるのです。
 土から掘り出すのも人の手、掘り出された長いもをコンテナに運んで詰めるのも人の手、1本の重さが1kgから2kg前後もある大きな長いもが相手ですから、掘るのも運ぶのも重労働です。ちょっと気を抜くと、握力が弱くなった手から長いもがするりと落ちて、折れてしまうこともあるので、終始気を抜けない仕事でもあります。作業の合間には、お昼休みの他に10時と3時のおやつ休憩がありますが、その時間がどれほど待ち遠しいことか。
 作業を終えて家に帰り、真っ先に湯船に浸かって、じんじんと痛む指先や日をまたがずしてして始まった腕や背中の筋肉痛をほぐしながら、農家の方たちは、こんな重労働を毎日毎日続けているのかと思うと、本当に頭が下がります。

2011年11月7日

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