夕張岳
最近、山の魅力にはまりつつある私は、前回の筋肉痛から解放されるやいなや、夕張岳登山の計画を立ててみました。
夕張岳は帯広から車で約2時間半、北海道の背骨である日高山脈と、北海道の屋根、大雪山系との間を埋めるように連なる夕張山系の一部です。標高は1,668メートルと、北海道の山の中でもそれ程高くはありませんが、登山口から山頂までの標高差は1,108メートル、往復15kmの大変さもぴんとこないまま、元気に登り始めました。
標高1,300メートル付近までは鬱蒼とした針葉樹林の中をひたすら登り、そろそろ気持ちがくじけてしまいそうな1,400メートルになると、そこまで頑張ったご褒美のようにお花畑が広がっていました。この時期はシロウマアサツキが最盛期で、紫色のころんとした花が木道の脇にも、高原の向こうまでも広がり、他の登山者の方達も皆足を止めて思い思いにその風景を楽しんでいました。
木道の脇に咲くシロウマアサツキの花
更に先を進むと、チシマフウロやヨツバシオガマが道を飾るように華やかに咲き、風が強く吹くがれ場にはエゾタカネツメクサが健気に白い花をいっぱいに広げていました。
エゾタカネツメクサ
最後の100メートルは全行程を通しても最も急な斜面でした。頂上は直ぐ上に見えるのに足は重く息もきれぎれ、両脇には相変わらずきれいな花が咲いているのに、この時ばかりは写真を撮る余裕は全くありませんでした。
やっとの思いで届いた頂上は、その途中で目にしたどんな風景より美しく、本当に感動の一言でした。雲が山肌をぬう様に眼下を流れていき、まだ白い雪も残っているのが見えます。360度どちらを向いても豊かな森に覆われた山が連なっているのが見え、まさに鳥になって飛んでいけそうな気分でした。
良薬口に苦し、と言ったところでしょうか。感動の次には、激しい筋肉痛という現実が待っていました。実際に登ってみて、その大変さを実感した今、冷静に考えてみると、初心者の私はもう少し経験を積んでから挑むべきだったのかもしれません。でも、もう一歩頑張って歩みを進めれば、素晴らしい世界があることを知ることができました。だから山を好きな人達は皆、次へ次へと挑戦し続けるのかもしれません。
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