遠くて近い
文化の日より一足先に、友人に誘われて狂言を見てきました。毎年この時期に定期公演が開かれているということで、「帯広の公演を終えると、1年が終わってしまったかのような寂しさが感じられます。」という挨拶が印象的でした。アットホームな雰囲気で幕は上がりましたが、狂言の独特な動き、間のとり方や声の迫力など、心地よい緊迫感で会場が満たされ、とても刺激的な時間を過ごすことができました。
よく都会と地方のそれぞれの暮らしについて話をすると、どちらにも住んだことがある人から、地方は文化的な刺激が少ない、という言葉が聞かれることがあります。確かに、大都市から離れた十勝では、著名な公演や展示会などが開催されることが少ないことは事実です。でも、大都市では、演者が米粒くらいにしか見えないような大きな会場だったり、見たい絵に近寄れないほど入場者が詰め込まれた美術館だったり、見に行ったという記憶しか残らないようなことがままあります。一方で、足さばきに合わせて着物のシュッと擦れる音が聞こえたり、筆の跡も分かるぐらいまで近づいて見ることができる地方ならではの距離感は、より深く文化に触れるのにとても良い環境のように思います。
間もなく雪に覆われる北海道。必然、屋内での活動が中心となる季節です。催し物を観に行くことも楽しみの一つですが、今年は自分でも何か新しい活動に挑戦してみたいな、と思っています。
2012年11月5日
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