幸せの白い花
この週末、北海道の桜前線が帯広から始まりました。外を歩くと少々汗ばむほどの陽気に、桜だけではなく、街路樹のコブシも白いリボンのような花を一斉に咲かせました。こうなると、春の花たちは待ってはくれません。太陽の光と熱をいっぱいに浴びるために葉を広げ、虫たちを惹きつけるために美しい花を咲かせます。そんな、春の一時にだけ姿を現すカタクリを見に向かった里山で、思いがけない出会いがありました。
白いカタクリです。
自生するカタクリの中から現れる確率は、数万本に1本とも言われています。うつむき加減でどこか控えめ、でも清楚さを失わないカタクリの花がとても好きで、春になると毎年のように見に出かけていましたが、白いカタクリを見たのは初めてでした。紫色が散りばめられた中に現れた一輪の白は、まるでそこにスポットライトが当たっているかのように輝き、特別な存在であることがすぐにわかりました。
白いカタクリを見つけると幸せになれる、とも言われているそうです。まだ人影もない里山でしたが、このカタクリを目にして、幸せをもらった人が他にもいるといいな、と思いながら帰りました。
2014年4月28日
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