海辺の朝
海辺の朝は、とても穏やかです。
顔を出したばかりの太陽の光を浴びて、のんびりしているのはゴマフアザラシ。20頭ほどの群れが岩場で日向ぼっこです。波をかぶらないためのものなのか、顔と後ろ足を反って寝ころぶ姿は、何だか大きな鰹節(もちろん、削る前のもの)が海に並べてあるようで、つい笑ってしまいました。
カメラを向けられて緊張が走り、顔を上げるものもいますが、そっちのけでお腹を向けたまま寝続けるものもいます。偵察隊のように、海に入って水面から顔だけをのぞかせ、静かにこちらの様子を気にしているのもいるな、と思ったら、次の瞬間には車の音に驚いて、皆、一斉に海に逃げ込んでしまいました。
太陽の暖かさにうっとりと目をつぶれば、にっこりと笑っているようにも見え、本当に愛嬌のある顔をしていますが、広い海を生き抜いてきた彼らの行動は、安息と緊張が常に一緒になっていて、次の瞬間の行動は予測がつきません。穏やかに見える朝の風景の中にあって、一瞬の油断も許されない生き物たちの姿は、決して動物園などでは見ることができない魅力があります。
2014年5月7日
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