遠回り
夏の行楽シーズンの皮切りとなる三連休。十勝は残念ながら不安定な空模様が予想されていたため、北へ向かうことにしました。厚い雲とじっとりとした暑さに覆われた帯広を抜け出し、夏の太陽と深い緑、虫の音のシャワーを身体いっぱい浴びて、すっかりリフレッシュされた帰り道、渋滞の列にのみ込まれてしまいました。ラベンダーが満開となるこの時期、旭川から富良野へ向かう道路はレンタカーや観光バスで大賑わいです。行きは反対車線の渋滞を横目に、すいすいと北へ向かっていたのを、うっかり忘れていました。
押し出されるように横道へそれ、山際のルートを迂回することに。初めて通る道です。
山を抜け視界が開けると、そこには夕張山地の山々を背景に、パッチワークの丘が広がっていました。収穫間近の黄金色の穂を、風が波のように大きく揺らしていきます。真っ白な雲が、大地に影を映しながら大きな空を流れ、遠くの緑の畑ではトラクターがスプリンクラーのように涼やかに水を撒いています。美瑛や富良野の象徴的な風景でもありつつも、一本先の喧騒が嘘のように、穏やかで気持ちの良い場所でした。
時には遠回りするのも、筋書きにない道を進むのも、新しい出会いがあり楽しいものです。
2014年7月22日
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