密かな絶景
いつも通りの早起きでは、日の出に追いつかなくなってきました。何とか頑張って太陽より先に家を出ると、今日はいったい晴れているのか曇っているのか、と問いたくなるような濃い霧が立ち込めています。でも、大地が吐き出した息からは、もう冬の冷たさは消えました。
少し前に大樹町まで伸びた高速道路に乗って、南へ向かった時の景色が、この時期、特にお気に入りです。真っ赤な太陽と真っ白な日高山脈に挟まれながら、少しだけ高いところから十勝平野を眺めることができるからです。
ほんの少しだけ目線が高くなれば、その分だけ遠くまで見渡すことができます。日の出とともに、次第に霧が晴れていくと、小麦の緑と耕したばかりの黒い土のコントラストが気持ちよく広がります。その間を滑るように走っていくのが、何とも気持ちが良いのです。
タイミングが良ければ、北帰行のため十勝川周辺で鋭気を養っているガンやカモが、朝一でえさ場へ向かっていく姿を見ることもできます。美しく統制されたV字の編隊が、広い大地を横切って飛んでいく姿は、ただただため息がでるばかりです。
残念ながら、高速道路の上からでは、車を止めることも、自分が運転していれば写真を撮ることもできませんが、ガイドブックには決して載らない密かな絶景です。
2015年04月13日
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