食欲の春
冷たい雨が降りつつも、雪解けが着実に進みました。散歩コースの小川に、毎年、水芭蕉が咲きます。住宅街のすぐ横を流れるこの川は、一体どこから流れだしているのか、名前は何と言うのかも分かりませんが、日本一の清流にも名を連ねたことのある札内川の支流へ、小さいながらも清らかで豊富な水を一年中送っています。
先々週頃から白い花のつぼみが出始めていたので、そろそろ見頃だろうと出かけたところ、先客がありました。マガモのつがいです。
私の姿を見れば、すぐに逃げていくものと思っていましたが、意外にもそんな様子がありません。珍しいこともあるな、と思いながらも、私は私で水芭蕉の写真を撮っていました。試行錯誤しながらふと、ファインダーから目を外すと、すぐ目の前までつがいが来ているのに気付きました。
これまた珍しい、と思いながら、せっかくなのでマガモの観察をしていると、どうやら川の中の餌を探しているようです。特にメスは、水芭蕉の根元にある餌を探すのに夢中で、知ってか知らずか、顔を水につけたまま、どんどんと私がいる方へ近づいてきたようでした。きっと、卵を産むために栄養をつけなくてはいけない時期なのでしょう。警戒心より食欲が勝っているようです。
一方、護衛役のオスは気が気ではないようで、すくっと首を伸ばしてこちらを伺いながら、なりふり構わぬメスの後ろを、仕方なさげについて来ていました。お陰で、つがいが揃った1枚は難しくとも、オスと水芭蕉の構図の写真は、じっくり撮ることができました。
2015年04月20日
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