シルエット
本州以南で越冬した鳥達が、南からの暖かな空気に乗って、そろそろ北へ旅立つ時期になりました。
十勝南部の湖沼には、渡りの途中で多くの鳥達が集まります。太陽が沈んでしばらくすると、何百羽か何千羽か、かなりの数のガンの群れが、ねぐらの沼に戻ってきました。十勝川下流に飛来するマガンが増えているという話は聞いていましたが、対岸に降り始めた影の多さは想像以上で、しばし圧倒されてしまいました。
その鳥達を待ち構えていたのでしょうか、1羽のオジロワシが静かに止まっていました。橙色の空を背景に、切り絵のようなシルエットを浮かび上がらせています。白鳥のように鳴き声を響かせるでもなく、小鳥のように飛び回るでもなく、高い枝にただじっと止まっているだけでも、存在感は十分です。
ガンたちは、桜が満開になる頃には、空に特大のVの字をつくりながら、サハリンやカムチャツカ半島へ帰っていくことでしょう。このオジロワシは、北海道で子育てをするつもりなのかもしれません。動物たちの影を追いかける楽しみも、新緑が皆を覆い隠してしまう前まで、あと残りわずかです。
2015年04月27日
- カテゴリ
- 今週のヒューエンス
- 更新日
- 閲覧数
- 560