シャコタンブルー
雲ひとつない春のドライブ日和。でもこの日の積丹半島は、日本海から吹く風がとにかく強く、瑠璃色の海からは次から次へと白波が立っていました。
風に押し寄せられた海が翡翠色や浅葱色に変わる様を眺めながら、海岸線を20キロほど走ることができました。海と反対側には、いつ大きな岩が転げ落ちてきても不思議ではないような岸壁が、延々と要塞のように迫っています。太平洋の砂浜を見慣れた者にとっては、よくもこのような場所に家が建つものだと、恐ろしいやら感心するやらです。
幾つもの海岸とトンネルを交互に越えて行くと、そのところどころに岬が現れます。積丹岬で、島武意海岸へ降りてみることにしました。入江になっていることもあり、こちらは少し波が穏やかです。北海道にいながら、なかなか目にすることができなかったシャコタンブルーを、視界いっぱいに感じながら、岸壁を下りていきます。
きれい・・・。ため息のような感嘆詞しか浮かばなくなるほど、その青さは心に沁み込んでくるようです。
南の海には、多くの人を受け入れてくれる鷹揚な青があり、北の海は、近寄り難い畏怖を覚えるような青があります。海はどこもひとつながりなのに、実に不思議なものです。
2015年05月11日
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