桜の季節
桜前線が北海道へやってきて早1ヶ月が経とうとしています。道東や道北地域の標本木、エゾヤマザクラはすっかり終わってしまっていますが、桜の季節は、実はまだまだ続いています。
アポイ岳の5合目に満開の桜の木が1本ありました。何気なく眺めていると、隣で休んでいた方が「これはカスミザクラだね」と教えてくれました。ヤマザクラよりも標高の高いところに生えているため花の時期も少し遅いそうで、そう言えば、5合目までの登山道はずっとピンクの花びらが落ちていました。大きな花はうつむき加減ですが、若い新緑の色と相まって、森の中を歩く私たちに、柔らかな光を届けてくれていました。
8合目、9合目ではヒダカイワザクラが小さな花を咲かせています。岩桜という名をもっているだけあり、大きな岩の切れ目に一列に並んで咲いていたりします。明るい笑顔を一斉に向けられているようで、何とも言えぬ嬉しい気持ちになります。
ヒダカイワザクラは十勝の山でも見ることができます。(中には、この花を見るために山に登る人もいるそうです。)十勝での花の時期はアポイ岳よりもう少し先になるでしょう。自分だけの桜前線を予想しながら、自分も北へ上へと歩いて行くのが楽しい季節です。
2015年05月18日
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