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星屑

 屑は屑でも、光の屑ならこんな素敵な事はありません。朝晩と冷え込み、澄んだ空気が気持ちよく感じられ始めると、夜空の星たちも一層輝きを増します。
 午後9時のオンネトー湖畔、さすがに人はいないだろうと思っていたのは自分だけで、車1台が通れるほどの細い道路脇のわずかなスペースには、既に何台もの車が停まっていました。昼間は紅葉狩りの観光客でにぎわう展望デッキの辺りにも街灯はなく、人工的な光と言えば、対岸の野営場からひとつふたつの明かりが届く程度です。
 車は何台も停まっていたにも関わらず、展望デッキの先客はたった2組、他の方たちは、皆思い思いの場所で、空を眺めていたのでしょう。これ幸いとばかりに、マットとブランケットを持ち込んで、寝転びながらの天体観察です。
 正直なところ、小さな星まであまりに見えすぎて、いつもはすぐに見分けられるような星座も、うまく探せません。でも、こんな場所では、あれこれと考えをめぐらすことも意味がないように思えてきます。頭の中はからっぽになり、降ってくる無数の光の中をふわふわと漂っているような気持ちよさです。
 周りの人も車も姿はなくなり、身体もすっかり冷えたところで、気がつけばもう11時。でも何だか頭はすっきりとし、言葉ではうまく説明ができないけれど、とにかく満たされた気持ちになりました。

2015年10月13日

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今週のヒューエンス
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