雨の日
雨の土曜日、髪をそろえに行ったところ、「今日はいらっしゃる予感がしていました」と担当の美容師さん。何故かと聞けば、その日は朝から農家のお客様がいらっしゃっていたからなのだとか。雨の日に外で仕事ができない農家さんと、雨の休日に外へ出かけられない私の動きが似ていると言われれば、なるほどと、接客のプロの勘に感嘆しきりでした。
だから、という訳ではありませんが、引き続きの雨の日曜日は、あえて外へ出かけてみようと思いたちました。雨続きで若い作物たちは疲れていないかと心配していましたが、ビートは濃い緑の葉をいっぱいに広げていましたし、まだ小さな豆たちもしっかりと根を張っているようです。野山を見渡しても、白やクリーム色、ところどころにピンクや青を交えて、皆しっかりと花を咲かせています。しっとりと霧につつまれて、大地は黒々と艶めき、花びらに集められた小さな雨の粒が、まさに滴り落ちようとしているのに気がつくと、多少寒くても、やはり彼らには恵みの雨なのだと、今さらなことを改めて実感するのです。
細かい雨が髪も背中も濡らしているのにも気を留めず、しばらく眺めては写真を撮って、を繰り返していました。葉を大きく広げよう、美しい花を咲かせよう、大きな実をつけよう、あらゆる緑に生きる力が満ちている雨の日が、これほど楽しいものだったことを、しばらく忘れていた気がします。
2016年06月27日
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