名残惜しい
風もなく、澄んだ青空が広がった日曜の朝、長めの散歩に出かけました。毎朝写真を撮りに出かけている近くの小川をさかのぼって歩くことに。大人が容易に飛び越えられそうな幅しかないこの川は、小さいながら水量が豊かで、地面と同じくらいの高さまで溢れそうな水面をきらめかせながらなみなみと、また時折ゆったりと流れてゆきます。
住宅街を通り、芝生の広がる公園を抜け、やがて川岸の枯れた草が水面を隠し始めるころには、周りが林や畑の景色に変わっていました。よく通る声が西の空に響き、十数羽の白鳥が飛んできました。こだまするように林の向こうからまた声が聞こえ、今度は30羽を超える編隊が現れました。東の空でも鳴き声とともに群れが連なっていくのが見えました。純白の羽は澄んだ青空に透けてしまいそうなほどで、カメラのピントも容易にとらえる事ができません。
フキノトウやフクジュソウの芽生えを促す暖かな日差しは、同時に、冬の使者が北へ帰るのを急がせているかのようです。それが季節の流れなのだと分かっていて、誰もが待っている春がやってきたのだと分かっていても、あまりに美しい白鳥の群れに、冬への名残惜しさを感じずにはいられませんでした。
2017年04月17日
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